2016年10月26日水曜日

アジア通貨危機

前回から時間が経ちましたが、タイの
通貨の暴落について見ていきましょう。


タイは前回までお話したとおり、ドルペッグ制を
採用しており、基本的にドルに連動するように
レートが決まっていました。
(ペッグは杭、ドルに杭を打ち固定するの意で
ドルに連動して相場が変動します。)


アメリカがドル高政策を決定して、このドルペッグ制
がタイにどのような打撃を与えたのでしょう。
(ドルが高くなる→タイバーツも高くなるの意。)


基本的に日本もですが、アメリカ以外の国って
自国通貨が安いほうが都合がいいわけです。
(1円の円安が輸出企業には億単位で儲かるなんて
ことがあります。トヨタなんて1,000億ですかね。)


儲かるのです。輸出してたくさんの自国通貨が
手に入る。


しかし、自国通貨が高くなると輸出による
メリットが(通貨でのみ考えると)損になるわけ
です。


タイは実際1996年から輸出は下落してゆきました。
輸出は相手先通貨で支払いを受けます。だからタイバーツ
が高いと現地通貨からタイバーツに交換するときに利幅
が少なくなります。経済規模の縮小へ進みます。

投資家の気持ちとして、
「タイ大丈夫?」
「輸出が大幅に落ちたのにドルと連動して
いられるの?」


ここで、タイに目をつけたヘッジファンドが、
タイは将来ドルペッグ制のもとドルと連動
した通貨の価値を維持できないと見ました。

よくも悪くも経済の見通しがはっきりわかれば
それが金儲けになります。投資家にとって見ると。
下がることがわかれば空売り。これが今の金融
の無常な世界。


ここでタイバーツの空売りが始まります。

ヘッジファンドによるバーツの売り浴びせを
受けます。
タイも通貨の価値を維持しようと、自国に
保有している外貨準備金を使ってバーツ
を買って、バランスを保とうとします。

売りに対して買い。


こうなるとヘッジファンドとタイの中央銀行との
資金の勝負になります。


しかし結果はヘッジファンドが勝ちます。


世間はタイがもう、ドルペッグ制を維持
できないことを感じ取っていたからです。


どんどんタイから投資資金が回収され
バーツは下がっていきます。


その売りの勢いにタイの中央銀行は
それを買い支えるだけの外貨準備金を
維持できませんでした。



1997年7月2日にバーツはドルペッグ制
から変動相場制に変わりました。


その結果タイのバーツは大暴落しました。


これがアジア通貨危機のきっかけです。
この通貨危機各国に影響を与え、また
影響を受けなかった国もあります。

また次回。

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