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2016年10月3日月曜日

外貨準備金

 前回のタイのバーツについて。


ドルに対して固定相場制を敷いていた
タイバーツ。いわゆるドルペッグ制を
維持することについて。




海外から高い金利を求めてタイに資本を
あずけていましたが・・・。


思わぬことがおきてしまいました。




こういった金利で儲けるには、ドルペッグ制
が維持できることが条件でした。




ドルとバーツのレートが同一ならいいんですが、
バーツがもし暴落すると・・・


バーツで預けて儲けた金利分を足しても
ドルに換金したときには目減りしたりします。


投資としては失敗ですね。


さてなんでバーツが暴落していったのか。


アメリカさんの登場ですね。


1985年プラザ合意では、ドルが高くなりすぎたので
ドル安政策をしていました。(この話はまたいずれの機会に
でも。)


それが、
1995年にはドルをまた高くしようと政策変更した
わけです。


ドルが高くなると、日本の場合円安になります。
変動相場制ですから相対的にそうなります。




ですが、当時のタイはドルとあくまでも固定する
政策を敷いていました。


つまりドルが高くなるならバーツも連動して
高くなる。いや、ならないといけなかった・・・。


しかもタイにとって、いや、輸出企業で生きていく
国にとって自国通貨が高くなることは、国の
経済にとっては致命傷。
日本も円安で恩恵を受けることはご存知の
ことと思います。




実勢よりも無理な相場を維持しようとすれば
ひずみが生じてはじけるのはいつの世も同じ。


ドルが高くなれば一部の投資家はドルを買いに
戻ります。


それを防ぐためにタイバーツも高くするために
バーツ買いを行います。
ですが、ドルよりもはるかに高い金利を支払い
続けることができるのか?


ここで外貨準備金がでてきます。




ドルを買い戻すために、タイにあずけていた
バーツを引き上げるわけです。


するとバーツは下がります。(実勢での話)
が、ドルペッグ制を維持するために、タイの政府
はバーツを買い支えます。(買いオペ)


バーツを買うために準備しているのが外貨準備金。




つまりタイ政府はドルなど外貨を準備しているわけです。
タイバーツが売られたら反対取引としてたとえば手持ちの
ドルでタイバーツを買うわけです。(ドルを売りバーツを買う)




海外投資家がタイバーツを売るなら相場を維持するため
外貨準備金でタイバーツを買う。




ドルペッグ制を維持するためにどんどん外貨準備金を
使っていきました。


それはつまり、世間がタイの経済が下向いていることに
気づいているからでした。


タイはもうダメ。だから資金を引き上げる風潮にあった。
しかしタイ政府はなんとか、相場を守ろうと、国を守ろうと
しました。


がしかし、巨大な力の前にタイは屈したのです。


それが黒幕ヘッジファンドの存在です。




次回はヘッジファンドについて。

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