2011年にシリア内戦が始まって以降、アメリカ軍がアサド政権を標的に攻撃したのは初めてで。米ロ関係の悪化を招きそうだ。
【経緯】
アメリカは、アサド政権が2017年4月4日、猛毒神経ガスのサリンと疑われる化学兵器を使用し、多数の民間人を殺害したと断定。このことにより子供20人を含む72人が死亡した。
このことを受けてトランプ大統領は記者会見で、「すでに考えは変わっている。シリアとアサドに対する私の考えは非常に変化した」と述べた。
5日にヨルダンのアブドラ国王と会談したトランプ氏は、記者団から新たなシリア政策を考えているのかとの質問に対し、「そのうち分かる」と応じた。
アメリカのティラーソン国務長官はロシアに対し、アサド大統領への支援継続について「慎重に検討するよう」求めた。また、マイク・ペンス副大統領はシリアについて「あらゆる選択肢が検討されている」と述べた。
ヘイリー国連大使は先週、シリアからアサド政権を退陣させることは優先課題ではないと述べ、オバマ前政権からの政策変更を示したばかりだった。
【シリア情勢】
シリア内には先に述べた
① アサド政権(ロシアが支援)
② 反体制派(アメリカが支援)
③ イスラム国(IS)
の3つが共に内戦を繰り広げており、
今回はアサド政権が反体制派に対しておこなった攻撃で
あるとのことだった。
今回の攻撃によりアメリカ軍がアサド政権を攻撃したとなると
それはロシアが支援している国を攻撃したことになる。
せっかくアメリカとロシアの関係が好転するかもしれない大事な
時期に水をさす形となった。
【ロシアの反応】
今回のシリアへの航ミサイル攻撃について、ロシアのプーチン大統領は反発。
プーチン大統領は「主権の侵害であり、国際法違反にあたる」とし、
「攻撃は米ロ関係を損なうものであり、テロリストたちとの戦いに逆行すると考えている」とも述べた。
また、アメリカが、アサド政権側が化学兵器を使ったとの疑いについては、ロシアの報道官は「シリア軍は化学兵器を保有していない。化学兵器が廃棄されたことは確実な事実であり、化学兵器禁止機関も確認済みだ」と述べた。
時期を同じくしてトランプ大統領は中国の習近平国家主席と
首脳会談に臨んでおり、今回の攻撃には北朝鮮への警告も
含むような気がしてならない。
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