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2017年5月15日月曜日

【トランプ大統領】ロシアゲート疑惑

2017年5月15日
トランプ大統領 「機密情報をロシア外相らに提供」

概要
➀ トランプ大統領は2017年5月10日にロシアのセルゲイ・ラブロフ外相やセルゲイ・キスリャク駐米大使がホワイトハウスの大統領執務室(オーバルオフィス)を訪問した時、過激派組織IS(イスラム国)の機密情報を共有した。
② FBI長官のコミー氏に調査から手を引くよう要請していた?(疑惑)。

 2017年5月15日、トランプ大統領が10日にホワイトハウスでロシア外相らと会談した際、過激派勢力のいわゆる「イスラム国」(IS)に関する重要機密情報を外相らに明らかにしたと各メディアが報道。ワシントンポストが最初に報じた内容を、ニューヨーク・タイムズやロイター通信などが伝えた模様。これに対して、政権の国家安全保障問題担当補佐官は、重要機密は漏らしておらず、既知のことしか伝えていないと反論し、報道内容を否定。
 ワシントン・ポストによると、トランプ大統領が大統領執務室でセルゲイ・ラブロフ外相に伝えた機密情報とは、米国の同盟国が入手したもので、ロシアと共有する許可を米国に与えていなかったようだ。
 一方で、会談の場に同席していたハーバート・マクマスター大統領補佐官は、ホワイトハウスの外で記者会見し、「今晩報道された内容は、事実と異なる。大統領と外相は両国が同じように直面する脅威について話し合い、その中には民間航空への危険も含まれる」、「機密情報の情報源や入手方法については一切話し合っていないし、大統領はすでに広く周知されているもの以外、軍事作戦について何も明らかにしなかった」と述べた。
 ティラーソン国務長官も、「個別の脅威の性質については話し合ったが、情報源や手法や軍事作戦については話し合っていない」と発表した。
 これに対してワシントン・ポストは、政権側の説明は、自分たちの報道内容の否定に相当しないと反論。自分たちの記事は、トランプ大統領が軍事作戦や情報源や情報の入手方法について話したと書いたのではなく、トランプ大統領が明かしたISの秘密計画の内容とその場所の名前を通じて、情報源や入手方法が特定されてしまうと情報関係者は懸念していると書いたのだと、反論。

 ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズが政権筋の話として伝えたところによると、トランプ大統領は大統領執務室でロシアのラブロフ外相やキスリャク駐米大使と会談した際、ISについて機密情報を提供した情報源の暴露につながりかねない詳細を明らかにしたという。
 報道によると、ISの秘密作戦に関する内容で、大統領は「台本から外れた」内容を話し出した。機密情報は米国の同盟国が米国に提供したものながら、他の同盟国と共有するには危険すぎる内容だとみなされていたという。
 ワシントン・ポストは、同席していた関係者は大統領の失言に気づき、慌てて中央情報局(CIA)と国家安全保障局(NSA)に連絡することで、「被害を最小化」しようと動いたと伝えている。

 大統領がロシア外相やロシア大使をホワイトハウスに招き入れたのは、FBIのジェイムズ・コミー長官を解任した翌日。大統領執務室での会談について、米メディアは取材が許されず、ロシア国営通信社のカメラマンが一部を撮影した。
 ワシントン・ポストの報道を受けて、上院の民主党ナンバー2、リチャード・ダービン院内幹事は、トランプ大統領のふるまいが「危険」で「無思慮」のように思えると批判した。

トランプ大統領が連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー前長官に捜査の終結を求めたという報道をめぐり、議会に波紋が広がっている。下院では民主党のアル・グリーン議員(テキサス州)が2017年5月17日、議場でトランプ大統領の弾劾を求めた。

グリーン議員
「議長、私は本日、合衆国大統領を司法妨害で弾劾することを呼びかけるためにここに立っています」
 と、それから、このことについて演説をしました。

「これは政治目的で行うのではありません。議長、この国には何人も法の上に立つことはないという信条があります。アメリカ合衆国大統領も例外ではありません。議長、私たちの民主主義は危機に瀕しています」

 トランプ大統領は多くの面で苦境に立たされているが、とりわけFBIのコミー長官更迭の影響は大きい。コミー氏は、2016年のアメリカ大統領選にロシアが干渉し、トランプ陣営と接触していた疑惑について調査していた。トランプ大統領は2017年5月10日にロシアのセルゲイ・ラブロフ外相やセルゲイ・キスリャク駐米大使がホワイトハウスの大統領執務室(オーバルオフィス)を訪問した時、過激派組織IS(イスラム国)の機密情報を共有した。また、コミー氏に調査から手を引くよう要請していたとも報じられている。
 コミー氏への調査中止要請の詳細はまだ明らかになっていない。しかし共和・民主両党の議員は、この疑惑が本当なら司法妨害に該当すると考えている。グリーン氏はそれが弾劾の根拠であり、今こそ手続きを開始するときだと主張した。
 
 「大統領は弾劾されるべきです。弾劾は大統領の有罪を示すものではありません。単に、下院が大統領を告発するということです。起訴に似た手続きです。その後、上院が審理を開き、大統領が有罪か無罪かを決定します」
 
 グリーン氏は「impeachdonaldtrumpnow.org」をいうサイトで、「弾劾手続きの開始に同意する」嘆願書に署名するよう促した。さらに、弾劾が実現するかどうかは最終的に国民が決めることだと述べた。
 「私は、市井の声そのものです」と、叫ぶようにグリーン氏は語った。「歴史が私の正当性を証明するでしょう。いかなる虚偽も、永遠に生き長らえることはできません」
 グリーン氏の演説は、次のような警鐘で締めくくられた。「議員の皆さんは、大統領が弾劾されるべき違反を犯したという非難も含め、声を上げなかったのです」
 トランプ大統領の弾劾を持ち出した議員はグリーン氏が初めてではない。これまで少なくとも16人の民主党下院議員が口にしている。共和党のジャスティン・アマッシュ下院議員(ミシガン州)は17日、コミー氏のメモに書かれていることが本当であれば弾劾の根拠になると語った。カルロス・クルべーロ下院議員(共和党、フロリダ州)は16日夜、メモに書かれている状況は深刻で、「司法妨害と解釈される可能性がある」とCNNに語った。歴史を振り返ってみても、司法妨害はアメリカ大統領にとって弾劾に値する違反行為だ。
上院では、リチャード・ブルーメンソール議員(民主党、コネティカット州)が弾劾を提案し、アンガス・キング議員(独立系、メイン州・民主党会派)が、議会が弾劾手続きに近づいていると述べた。
「不本意だが『イエス』と言わなくてはならない。司法妨害は非常に深刻な違反行為だ」。16日に、キング氏はCNNのウルフ・ブリッツァー氏にそう語った。「それを言うのは悲しいし、ためらわれる。私が主張してきたこととは異なる。この混乱した3カ月あまりで、私の口からそのような言葉が出ることはなかった」



※ 予備
 ➀ フリン氏が辞任した。
 ② トランプ大統領が就任する前にロシアと違法に接触した疑い。(2017年2月13日)
 ③ ペンス副大統領はフリン氏の疑惑を否定したが、フリン氏本人が事実を認めた。
 ドナルド・トランプ氏の大統領就任から10日の間、司法長官代行を務めたサリー・イエーツ連邦検事は、5月8日、上院小委員会の公聴会で証言し、ロシアと接触した疑惑で大統領補佐官を辞任したマイケル・フリン氏はロシアによる「影響」を受け、「事実上、脅迫される可能性がある」とホワイトハウス側に警告していたことを明かした。
フリン氏は、新大統領の就任前、駐米ロシア大使に接触していたという疑惑が浮上し、2月13日、大統領補佐官を辞任している。


ワシントンポストが報じた疑惑は、フリン氏がセルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と連絡をとり、経済制裁解除について協議していたというもの。フリン氏の行動は、民間人が外交政策を禁じる法律に違反する可能性がある。
フリン氏は疑惑が報じられた当初は接触を否定、これを受けてマイク・ペンス副大統領も繰り返し疑惑を否定していた。しかし、後に事実だったことを認め、虚偽の報告をしたことで政権内の信頼を失ったフリン氏は辞任に追い込まれた。


ロシアゲート事件といわれる所以について
ウォーターゲート事件について。

ウォーターゲート事件
1972年6月17日にワシントンD.C.の民主党本部で起きた盗聴侵入事件に始まったアメリカの政治スキャンダル

1974年8月9日にリチャード・ニクソン大統領が辞任するまでの盗聴、侵入、裁判、もみ消し、司法妨害、証拠隠滅、事件報道、上院特別調査委員会、録音テープ、特別検察官解任、大統領弾劾発議、大統領辞任のすべての経過を総称して「ウォーターゲート事件」という。
 事件は、1972年の大統領選挙戦のさなかに当時のニクソン共和党政権の野党だった民主党本部があるウォーターゲート・ビル(ワシントンD.C.)に、何者かが盗聴器を仕掛けようと侵入し警備員に発見されて警察に逮捕されたことから始まった。やがて犯人グループがニクソン大統領再選委員会(Committee to Re-elect the President, CREEPまたはCRP)の関係者であることが分かり、当初ニクソン大統領とホワイトハウスのスタッフは「侵入事件と政権とは無関係」との立場を取ったが、ワシントン・ポストなどの取材から次第に政権内部がこの盗聴に深く関与していることが露見する。

 さらに事件発覚時に捜査妨害ともみ消しにホワイトハウスが直接関わり、しかも大統領執務室での会話を録音したテープが存在することが上院調査特別委員会でわかった。このテープ提出の拒絶や、事件を調査するために設けられた特別検察官を解任する(そのため司法長官と次官が抗議辞任)など、明らかな司法妨害が政権よりなされた。こうした不正なニクソン政権の動きに世論が猛反発し、やがて議会の大統領弾劾の動きに抗しきれなくなって合衆国史上初めて大統領が任期中に辞任に追い込まれ、2年2ヶ月に及んだ政治の混乱が終息した。



トランプ大統領による「FBI長官解任」をきっかけに、全米が大きく揺れはじめています。ロシアとの「不適切な関係」の解明にFBIが更なる力を注ごうというタイミングだっただけに様々な疑惑が取り沙汰され、「第2のウォーターゲート事件」としてロシアゲート疑惑として世間をにぎわせています。

5月9日に発生した「FBIコミー長官解任事件」を契機として、トランプ政権の周辺には動揺が続いています。問題は3つあります。
① 今回の騒動で、トランプ陣営の「ロシアとの癒着疑惑」が深まった。
② コミー前長官に対する脅迫など、大統領の言動が更に粗雑化。
③ ホワイトハウス内部にも動揺が見られる。


ドナルド・トランプ米大統領が連邦捜査局(FBI)のジェイムズ・コーミー長官をいきなり解任したことで、ワシントンは揺れに揺れている。
ホワイトハウスは解任理由を、ヒラリー・クリントン氏のメール問題の取り扱いが不適切だったからだと説明しているがしかし民主党は、大統領選へのロシア介入疑惑とトランプ陣営との関係について、特別検察官を任命するよう求めている。コーミー氏はFBI長官として、クリントン氏のメール問題の捜査だけでなく、ロシア疑惑の捜査を指揮していた。


フリン氏の流れ

すでにトランプ氏のアドバイザーだったフリン氏が政権発足前の12月に駐米ロシア大使と会い、その際に、オバマ政権がロシアに科した制裁について議論したことが明らかになり辞任に追い込まれたものだ。

実際にオバマ政権が制裁を科した時の経緯を記すと以下の様になる。

1. オバマ政権がロシアへの制裁を検討
2. プーチン大統領が反発、制裁に対抗措置をとる言明
3. フリン氏とロシア大使との接触
4. オバマ政権がロシアに制裁科す
5. プーチン大統領は対抗措置を見送り
6. 対応措置を見送ったプーチン大統領をトランプ大統領が礼賛

この経過を振り返ってNBCテレビのキャスターは、「このやり取りの中でトランプ大統領が関与していないと普通の人は思うだろうか?」と疑問を呈している。つまり、フリン氏の行動をトランプ大統領が知っていたのではないかという意味だ。さらに言えばトランプ大統領の意向でフリン氏が動いた可能性だってないわけではない。もちろん、トランプ大統領はそれを否定している。


さて、弾劾まで進むのか。

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